「ニット」と聞くと、冬のセーターをイメージする人が多いかもしれません。でも実は、多くの肌着もスポーツウェアもTシャツも、ニット素材でできています。天然素材でもよく伸びて、身体にフィットし、シワになりにくい性質を持つニットは、機能的な素材としてあちこちで活用されています。でもニットのすごさは、それだけではありません。カネマサ莫大小株式会社は、和歌山県・和歌山市での創業から57年、ニットにおける丸編み技術の最先端を、常に追い求めてきました。この展覧会では、カネマサが取り組んできた技術の可能性を、さまざまな背景を持つ5組のクリエイターと共に提示します。知るからこそ見えてくる、ニットの知られざる面白さ。ニットを再発見するきっかけになれば幸いです。
さまざまなバックグラウンドを持つ5組のクリエイターによる作品を展示します。カネマサ莫大小のもつ最先端の丸編み技術の面白さを、それぞれの視点から読み解きました。
ニットの技術から見えてくる、それぞれの作品に込められたこだわりを、見つけていただければ幸いです。
カネマサ莫大小株式会社は、1964年に和歌山県・和歌山市で創業した、丸編みを得意とする工場です。日本一のメリヤス編みの産地として知られる和歌山県ですが、カネマサは独自の編み機をメーカーと共に開発するなど、創業当初から新しい技術を追求してきました。近年特に力を入れている、スーパーファインゲージと呼ばれるとても細かい編み目のジャガード素材は、世界でもカネマサだけの技術です。時代に合ったよりよい編地を生み出すために、さまざまな別注糸を作り、地元の染色工場と連携。サステナブルなものづくりのために、リサイクル素材やオーガニック原料も積極的に使用しています。和歌山の小さな工場から、世界で唯一のものづくりを発信します。